がん治療効果はがんの大きさの変化だけを判断基準にするのではなく、治療による免疫力の低下や余命も患者自身の体力(免疫力)に左右されると考えています。新抗がん剤の種類増加にも関わらず抗がん剤治療後の他臓器へ転移するという例が良く見られ、免疫力の低下ががん細胞の転移と成長に繋がと考えられます。
多くのがん転移は肉眼では見えない細胞レベルで行われており、抗がん剤の使用はがん細胞を全て消滅するまで続き、免疫力の低下状態になりかえって体ががん細胞の転移に対して無能力状態になる為、結果的にがんの全身転移が起きると考えられます。
またQOL(quality of life=生活の質)の面から見ると、一方的な全身放射線療法と化学療法との使用にも疑問を持つべきです。なぜならば、統計によると抗がん剤の使用と未使用でがん患者の余命差に3ヶ月程度しかないことが明らかになってきています。これは抗がん剤の使用による免疫力の低下によるものと考えられます。
近年、がん治療に対して治療予後に大きく影響をもたらす自己免疫力が指摘されつつあり、西洋医学と東洋医学の良い部分を引き出す統合医学が注目され、その中で自己免疫を高める免疫療法の役割はこれから大きく期待されていることが明確です。
▶ 免疫系統の機能診断(健康度の診断)→免疫年齢検査
▶ 免疫流れの診断(免疫体質の診断)
▶ 早期異常の補助診断(免疫異常の早期発現)
▶ 各病気の投薬~治療効果の診断(治療効果~副作用の診断)
CD3 | 74% |
CD4xCD8 |
4+/8+ | 0.50% |
4+/8- | 47.20% |
4-/8+ | 20.10% |
4-/8- | 32.20% |
CD16xCD56 |
16+/56+ | 8.30% |
16+/56- | 1.90% |
16-/56+ | 2.10% |
16-/56- | 87.70% |
▶ 2009年第24回国際癌生物療法学会発表
24th International Society for Biological Therapy of Cancer (iSBTc)
▶ 2010年第14回国際免疫学会発表
14th International Congress of Immunology (ICI)
▶ 2011年第47回米国臨床癌学会発表
47th Annual Meeting of the America Society of Clinical Oncology (ASCO)
体内免疫機能~免疫流れ(体質)の分析→ 蔵前免疫細胞群簡易分析式
▶ 顆粒球亜群(好中球+好塩基球+好酸球)→自然免疫細胞
▶ 単核球亜群(直接測定) →自然免疫細胞
▶ キラ-T細胞亜群→適応免疫細胞
▶ ヘルパ-T細胞亜群→適応免疫細胞
▶ NK細胞亜群→早期誘導反応細胞
▶ NKT細胞亜群 →早期誘導反応細胞
▶ B細胞亜群→適応免疫細胞
▶ 液性免疫(Th2免疫)
▶ 細胞性免疫(Th1免疫)
▶ 粘膜免役(Th17免疫)
▶ 免疫抑制(Treg免疫)
➜
Th1=NK+キラ-T細胞 Th2=NKT+B細胞 CD4=免疫中枢 Th1-CD4=iL-4(-) iF-r(+) Th2-CD4=iL-4(+) iF-r(-) Th17-CD4=iL-4(-) iF-r(-) |
※早期誘導反応細胞=自然免疫と適応免疫の橋渡し的役割を演じ、適応免疫のタイプを決める重要な役割を担っている
※当院、施設内での実験です。
攻撃能力に優れ、がん細胞に対しての殺傷性が高いNK細胞を利用したこの療法はがんに対して効果も非常に高く、QOLの維持という点でも優秀ながん治療法といえます。また点滴によりNK細胞が身体全体をめぐるため、がんの再発・転移に有効性が高いと言えます。
自身の細胞を培養し行う治療のため、副作用も少なく免疫力を高める効果から化学療法や放射線療法と言った免疫低下を伴う治療法と併用することで相乗効果も望まれます。
蔵前免疫分析式によって、体内免疫代償能の破断状態を示す低免疫状態の2症例
(顆粒球群→、リンパ球群↓、CD4↓)
千万/μl | |
NK | 4.1 |
CD8 | 86.8 |
CD4 | ➜ 108 |
NKT | 3.6 |
B cell | 47.9 |
Mono | 117 |
Granular | 2381 |
T cell | 243 |
B cell | 19 |
CEA | 257 |
免疫中枢リンパ球=ヘルパーT細胞(CD4)
の極端低下を示す(240個/μl↓)
免疫能の低下状態 |
千万/μl | |
NK | 11 |
CD8 | 18 |
CD4 | ➜ 23 |
NKT | 0.74 |
B cell | 32 |
Mono | 119 |
Granular | 4180 |
免疫中枢リンパ球=ヘルパーT細胞(CD4)
不全状態を示す(46個/μl↓↓)<100個/μl
※この症例は採血の2日後、死亡となった
強い免疫抑制による免疫不全状態 |
NK細胞療法と他治療法を併用して治療した患者の例 (40歳 女性)
2004年7月乳腺癌と診断された
① 2004年10月~ NK細胞免疫療法 (集中療法&維持療法) |
② 2006年6月22日 ラジオ波(RAF) |
③ 2006年6月22日・2006年11月・ 2007年1月 乳腺中心動脈抗癌剤投与(3回) |
④ 2006年11月 放射線粒子移入術 |
治療前
治療後
② 2006年6月22日 ラジオ波(RAF)
NK細胞療法と他治療法を併用して治療した患者の例 (55歳 女性)
2010年6月乳腺癌と診断
全身進行性乳がん、左巨大局所進行(皮膚浸潤)、左腸骨多発溶骨性転移、左腋下リンパ節転移
① 2010年7月~ NK細胞免疫療法 (集中療法&維持療法) |
② 2011年1月 乳腺中心動脈抗癌剤投与、Sr-89骨梁増設術 |
③ 2011年5月 乳腺中心動脈抗癌剤投与、局所放射線粒子移入術 |
④ 2011年12月 乳腺中心動脈抗癌剤投与、Sr-89骨梁増設術 |
治療前 2010.6
①2010.10月 NK療法 6回後
②2011.3月 NK療法+MIS療法後
*MIS療法(内乳動脈化学塞栓療法)
*Sr-89骨梁増設術
③2011.9月 NK療法+MIS療法後
*MIS療法(内乳動脈化学塞栓療法)
*局所放射線粒子移入術
④2012.2月 NK療法+MIS療法
*MIS療法(内乳動脈化学塞栓療法)
*Sr-89骨梁増設術